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ショーケース

ショーケース

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2026-03-03

高取耳付水指

幅16.8×奥行15.7×高さ15.2cm

 

高取焼は文禄・慶長の役の際に、福岡藩主黒田長政により連れてこられた朝鮮陶工の八山(高取八蔵)が鞍手郡鷹取で開窯したのが始まりとされています。素朴な茶器の制作から始まり時代を反映した桃山風の力強い作行きのもの、寛永年間には小堀遠州の指導を受けた遠州好と呼ばれる洗練された茶陶を制作するに至ります。造形のシャープさや釉薬の優美さが特徴で、茶席ではお馴染みの焼物として親しまれてきました。

高取古窯は永満寺宅間窯にはじまり内ヶ磯窯、山田窯などいくつか窯がありますが、本品は1665年に開窯されたと言われる小石原鼓窯の作と思われます。控えめな管耳の付いたシャープな筒形で、内側に抱え込んだ口縁が特徴的で、摘みの造形も洗練されています。銅のやや上部には一条帯状に箆をめぐらせ、全体を引き締めて見せています。濃い飴釉を地釉にたっぷりと施し、口縁から定番の藁灰釉が青白く垂れて、胴紐をややまたぐ位置に優美な景色が生まれています。腰から下は土が見え糸目の箆目が施され、底は細かな渦巻を見せて削り込まれ、京焼を思わせる瀟洒さも魅力の1つです。共蓋があるのも珍しく、碌々斎在判の塗蓋も添っています。