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ショーケース

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2025-06-04

色絵阿蘭陀瓢徳利

胴径8.7×高さ15.4cm

古美術において、オランダの東インド会社によって日本にもたらされたヨーロッパの陶磁器を「オランダ」と呼び、「阿蘭陀」、「和蘭陀」、またヨーロッパ人の髪の色から「紅毛」とも表されてきました。茶道具としては、花入や水指、香合などに優品が多く、日本からの注文品を含め西洋のデザイン感覚が取り入れられています。温かみのある柔らかな質感が特徴で、なかでも色を使って模様が描かれたものを「色絵阿蘭陀」と呼びます。

この小ぶりな徳利は、細い首から続く胴は瓢形に膨らみ、片手で持つのにしっくりとくるサイズ感です。阿蘭陀特有の青みを帯びた白釉の素地の上に、緑、黄、赤、青の4色を使ってさまざまな花文と、胴の窓には楼閣、舟、蝶と漢詩の世界を思わせるような情景が描写されています。ヨーロッパと東洋が接続したような意匠は、やきものの柔らかな質感と調和して特有の魅力となっています。北三井家伝来です。