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ショーケース

ショーケース

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2025-05-02

堅手平茶碗「岩清水」

直径17.6×高さ6.1cm

堅手茶碗は、高麗茶碗のひとつで、胎土が白磁質で堅く焼き締まった姿からの名前です。現在の韓国の慶尚道、全羅道付近で作られますが、「堅手茶碗」と呼ばれるものは、質感の堅い磁器質のものと土質がやわらかめの半磁胎のものに大別され、作行きもさまざまに、「本手」、「鉢の子手」、「絵堅手」「やわらか手」などに分類されます。

この茶碗は比較的やわらかな質感をしており、全体の半分は枇杷色に、もう半分にさらっと掛けられた白釉とのグラデーションが爽やかです。大きく広がった口縁から小ぶりな高台にかけてゆったりとした曲線を描いて端正に形作られます。大きな見込みには濃茶が映え、高麗茶碗の醍醐味を感じられる夏茶碗として、存在感のある嬉しい一品です。
箱裏には遠州流茶道11世小堀宗明の和歌色紙「神代より かはらずすめる 岩清水 ちとせののちも 汲むよしも哉」が添い、その涼やかな姿から「岩清水」の名があります。