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ショーケース

ショーケース

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2025-05-02

象牙雷文茶器

幅7.4×奥行6.5×高さ5.4cm

象牙とはゾウの門歯が発達した牙から採取される硬くて白い物質です。適度な粘りと欠けにくく固すぎず柔らかすぎない特性から、彫刻の素材の1つとして世界各地で珍重されてきました。日本では「撥鏤尺(ばちるのしゃく)」などが正倉院宝物に収められるほか、江戸時代中期には、欧州からアフリカ象の牙が交易品として運び込まれ、「根付」など象牙工芸が急速な発展を遂げました。
本品は象牙を輪切りにし茶器に仕立てあげたもので、牙の元々の大きな径を活かした大ぶりなサイズです。茶道具としての象牙は茶入の蓋や茶杓などで親しまれますが、象牙本来の大きさを活かしたものは比較的珍しいものです。堂々とした佇まいに相応しく、ざっくりとした作行きで上部に雷文が線刻され、異国情緒が漂います。替茶器として見立てられたのでしょう、瓢箪と七宝の蒔絵が施された桑の蓋が添っています。