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ショーケース

ショーケース

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2025-03-04

丹波共蓋水指

胴径20.4×厚み19.8×高さ16.5cm

丹波焼は代表的な古窯の1つで、兵庫県多紀郡から京都府にまたがった地域に窯が散在しています。時代によって作られるものが変化し、平安時代の終わりから桃山時代には穴窯で備前や信楽のような焼締めの壺や甕が、江戸時代初め以降は登窯で赤ドベ釉、灰ダラ釉、飴釉などが施釉されたやきものがつくられました。生活の道具が多いものの一部茶陶も作られ、遠州好みの茶入などは瀟洒な作振りで、今でも高い評価を受けています。

口を幅広く胴を手なりに膨らませた袋形の水指で、胴には轆轤目がめぐっています。前面は赤ドベ釉が薄く塗られ光沢ある褐色に焼き締まり、側面は灰が降りかかって激しい釉変をなし、見る位置によって雰囲気が変わる鮮やかな景色が特徴的です。前面はへこみが、底には網文が線刻されるなど装飾性も高く、見どころの多い一品です。指に合う、ざんぐりとした共蓋が添っています。