2025-02-14
祥瑞詩文茶碗
胴径7.8×高さ14.5cm
祥瑞は、江戸時代初期に日本からの注文により中国江西省景徳鎮の民窯で焼かれたと云われる染付磁器です。同時代に作られた古染付と比較し精緻な作風で、発色のよいコバルトが精選された白磁にくっきりと乗っているのが特徴です。茶人たちの注文によって茶碗、水指、香合などの茶道具をはじめ会席具などの向付、鉢などが作られ、優品が多く残っています。
このお茶碗は「絵」ではなく「詩」が描かれた、祥瑞としては珍しい一品です。茶碗の胴中程に几帳面な筆致で漢詩が一周描かれ、「神仙」の名で終わっています。天地には線・縄文様が巡り、胴に紐がひとつ周ってアクセントとなっています。絵に自信があまりなかったのか、思い入れの強い詩があったのかは分かりませんが、カリグラフィーとして文様とのバランスもよく、丹精な器形によく映えています。
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