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ショーケース

ショーケース

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2025-01-07

斑唐津沓鉢

幅14.2×奥行13.1×高さ7.2cm

「斑唐津」と通称されていますが、実際に焼成されたのは高取焼の「内ヶ磯窯」です。高取焼に小堀遠州の指導が入る以前、織部好みが流行していた時期の作品です。沓形の鉢や茶碗、伊賀などに通じる耳付水指など、桃山時代の空気感をもった茶陶が盛んに制作されました。焼成されたのは高取ですが、今でも茶会では、過去の慣例に従い「斑唐津」と称されることが多いです。その方が「しっくりくる」ということだと思います。
大きくいびつに歪んだ沓形の鉢は、斑唐津らしく前後で藁灰釉と飴釉がうまく掛け分けられます。胴にある山のような彫文様を囲むように、口部・胴の天地に線文様も彫られ、かなり意識的に意匠されたのでしょう。全体のバランスを取るように、高台は丸く素直に削り出されています。会席において、進肴や香物など取り回しの器として重宝しそうな器です。