2024-12-03
独楽盆
直径24×高さ2.4cm
独楽とは、朱や黄、緑、黒などの色漆で蛇の目状に描かれた文様で、玩具のコマのように見えることからの名前です。中国南部や東南アジアから日本に伝わったと言われ、茶の湯では茶器、香合、盆、莨入などに用いられます。
このお盆には、黒・朱・白・黄漆を用いて円が描かれ、縁と見込みの黒漆の部分には魚繋や筋文様が手彫りされています。独楽盆の上手とされる白や黄漆が綺麗に入っており、古くから評価の高い種類です。裏は糸目状の轆轤目に黒漆がつやつやと掛かり、鉈で削り落とされた底は木地のままと、伝世した独楽盆ならではの野趣に富んでいます。侘びた風情の干菓子器として、味わい深い普遍的な魅力をもつ一品です。