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ショーケース

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2024-09-11

御本三島茶碗「照波」

直径14.1cm×高さ8.8cm

江戸時代初期、日本から切形を送った注文により釜山にある倭館の窯で焼造された茶碗が御本茶碗です。「御本」=お手本を持って作られたことからの名称で、中でも三島と同じ白象嵌の技法を用い文様を表したものを「御本三島」と称します。もともと茶碗としてお茶を飲むために作られたことから手取りのよさ、口造り、高台の作行きにいたるまで、茶碗のお手本と呼べる姿をしています。
整った薄作りの寸法に呉器のようにしっかりとした高台が付いた、高さのある椀型の茶碗です。見どころは、赤みのある総体を巡るように引っ掻きの技法により幾重の繊細な線が流れるように施されたその装飾でしょう。「照波」という名からも、霧がかったほのかな月の光に波面が照らされているような、幻想的な景色が思い浮かぶようです。