2024-09-10
古九谷四方菊皿
幅13.4cm×奥行9.7cm×高さ2.7cm
古九谷は江戸時代初期の17世紀半ばに現在の石川県加賀市山中温泉付近(旧加賀国江沼郡九谷村)において作られたと言われる色絵磁器です。赤・紺青・黄・緑・紫色の五彩を用いた「色絵古九谷」と「青手古九谷」に大別され、大中小の皿類から徳利や猪口などの会席具、香炉などが作られました。なかでも小皿類は絵紋様を中心とし、見込みに花鳥や山水、人物が描かれ、その多様な絵柄や器形は優品が多く、昔から根強く人気です。
古九谷らしく額絵のような四方皿です。白生地を生かしながら、見込みには菊の花が鮮やかな赤・青・緑の三色で塗られ、周囲の縁を区切る枠線の黄色がアクセントとなっています。重陽の節句の時期に相応しく、菊の他に七宝文、牡丹唐草、熨斗飾りのような図柄等、侘びた雰囲気の中に縁起の良さが感じられます。