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ショーケース

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2023-11-08

高取茶入「淡雪」

直径8×高さ6.8cm

高取焼は、筑前福岡にて藩主黒田長政が連れ帰った朝鮮人陶工、高取八山により開窯されまし た。江戸時代になると小堀遠州の指導を受け本格的に茶陶を焼成しはじめます。それらは「遠州髙取」と呼ばれ、趣のある侘びた釉景や洗練された造形を特徴とし、多くの茶人に好まれています。
この高取茶入は胴の高い位置に沈線が一周巡り、口縁~肩がきゅっと窄まった後、高台にかけて緩やかなカーブが描かれます。大きな口径に対し小振りな高台には、轆轤の回転でできる糸切りが明瞭に残り、端正な造形の中でアクセントとなっています。全体には飴釉が掛かり、藁灰釉が重ね掛けされているのか、肩の一部にかすかに青白い発色があります。うっすらと積もる雪景色をこの茶入に見るようで、内箱には松平備前守、外箱には遠州流12世小堀宗慶による「淡雪」の箱書きがあります。
宗薫緞子と縞間道の仕覆が添います。