2023-11-08
古染付冠香合
幅4.4×奥行4.9×高さ4.8cm
「古染付」は中国の景徳鎮民窯で、明時代末期の天啓年間(1621-27)前後に作られた染付磁器です。当時の茶人の注文を受け、香合、花入、水指などの茶道具や会席道具が屈託のない自由な造形で作られ、そこに吉祥文や動植物、故事逸話など中国にちなんだ題材の絵付けがなされました。日本人の美意識が吹き込まれたやきものとして、現在でも根強く人気です。
染付冠香合は、古代中国の儀式用の冠である「唐冠」の形を意匠化しています。二つの丸い羽が付いた背面は、枠筋だけと凸型筋入りと2種の図案がありますが、本品は枠筋だけのタイプです。前面は曲面に合わせて縞筋が引かれ、抽象化された形がより引き立って感じられます。格調高い冠が可愛らしく感じられて、小味のきいた一品です。
形物香合の西五段目七位に位置付けられています。
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