2022-06-03
堆黒笹蟹香合
Φ7.2cm
高さ2.6cm
堆黒は中国の宋時代に盛んとなった漆技法の一つで、黒と朱漆を交互に幾層にも塗り重ねてから文様を彫り出した「彫漆」の一種です。朱漆を用いた同技法のものは堆朱と呼ばれ、日本に多くが伝来されたことから、昔から人気が高い漆器の一つです。
笹の葉と岩上にいる蟹を彫り出した意匠であり、力強い彫りの中に見える赤と黒の漆の層が精緻で鮮やかです。側面にはやや扁平した雷紋が巡り、全体をシャープに引き締めています。小ぶりなサイズでありながら、風炉の香合として格調高い贅沢な一品です。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |