toggle

今月の茶花

今月の茶花

#
2025-10-31

11月の茶花

 

▼花
加賀八朔(かがはっさく)
榛(はしばみ)

▼花入
古銅縄耳鶴首

 

11月から炉の季節が始まります。炉開きとして行われる「口切り」は茶の湯の新年、一年で最も厳かな茶事とも言われ、以降茶席の花は草花から椿などの枝ものの侘びた雰囲気へと移行していきます。
ストンとした形の古銅縄耳鶴首に、炉開きから晩春まで重宝される椿、それに榛の枝を添えてしみじみと炉開きらしい佇まいにしました。

「加賀八朔」は一重の椀咲き、中輪で、石川県で古くから栽培されてきた品種です。白八朔に似ていますが、比べると葉が大きく鋸歯の粗いのが特徴です。
「榛」はカバノキ科で、榛柴実(はりしばみ)または葉柴実(はしばみ)が転訛したものと思われ、日本各地の山地に自生します。茶花としては秋の終わり頃から、一本〜数本かたまりになって穂のように垂れ下がる蕾の侘びた風情を喜びます。