2025-04-01
4月の茶花
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▼花
常満寺椿(じょうまんじつばき)
木五倍子(きぶし)
▼花入
桜蒔絵耳盥
日増しに暖かさが加わり、だんたん新芽を付け開花しはじめる草木から、春の喜びと明るさを感じます。エッジの効いた構図の桜蒔絵が美しい耳盥に、蓋置を花留めとして用い、暖かくなってきた時分に相応しく水面をたっぷりと見せながら二種の花を入れました。
「常満寺椿」は鮮やかな桃色に一重筒状の中輪で、関戸太郎庵椿の実生による変異種として生まれたとされています。愛知県犬山市にある常満寺に原木があり、名の由来となっています。
「木五倍子」はキブシ科の落葉低木〜小高木で、果実を五倍子(ふし)の代用として黒色の染料にしたことからこの名前が付いています。葉に先立って枝から下がる淡黄色の花房がうららかな春の息吹を感じさせます。