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過去の茶花

過去の茶花

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2024-11-18

11月の茶花

▼花
西王母(せいおうぼ)
満天星(どうだんつつじ)

▼花入
青磁稚龍耳花入

 

少しずつ里の木々も紅葉、黄葉、落葉していく11月。茶の湯では「炉開き」を迎え、茶席の花は草花から椿などの枝ものの侘びた雰囲気になり、開炉や茶壺の口切などの行事が厳かに行われます。
小ぶりな青磁の花入に、紅葉した満天星で高さを出しながら、ほのかに桃色を帯びた椿の優しく凛とした趣を活かしました。

「西王母」は一重の筒咲中輪のピンク色の花を付ける椿で、幕末頃に金沢の地で誕生したといわれています。古代中国で3000年に一度実を付けるという伝説上の桃の木を持つ仙女の名を指し、その桃の実にあやかってふっくらとした花を咲かせることからの名称と思われます。「満天星」は「灯台躑躅」とも表され、中国の太老君が仙薬を練っているときに、玉盤の霊水が木にかかり玉となって満天の星のように輝いたという故事からの名称です。