2023-11-30
11月の茶花
▼花
白玉
榛(はしばみ)の照り葉
▼花入
備前砧形
11月を迎えると風炉から炉へと移り変り、囲炉裏を開く「炉開き」や、茶壺の「口切り」等のおめでたい行事が行われます。次第に紅葉も深まり始め次第に寒くなってゆく中で、茶席の花も草花から椿などの枝ものへと変化していきます。
ぐっと秋らしくなってきたこともあり、どっしりと存在感ある砧形の備前花入に、白玉と大ぶりの照り葉を入れました。
「白玉」は、白色の楚々とした姿が印象的な椿の花で、早咲き椿の代表格の1つです。丸蕾に一重の小輪で11月~3月頃まで長い期間使われ、清楚でふっくらとした姿が愛らしく古くより親しまれています。
「榛」はカバノキ科の落葉低木で、葉にある皺から、葉しわ、ハシワミ、と転訛したものという説があります。雄花だけからなる黄褐色の花穂が枝から数本垂れ下がった姿は侘びた風情があり、炉開きには紅葉の葉と花序の枝が好んで用いられます。