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過去の茶花

過去の茶花

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2023-06-01

6月の茶花

▼花
突抜忍冬(つきぬきにんどう)
都忘れ(みやこわすれ)
雪の下(ゆきのした)
七段花(しちだんか)
伊勢撫子(いせなでしこ)
泡盛升麻(あわもりしょうま)
蛍袋(ほたるぶくろ)
九蓋草(くがいそう)
矢筈芒(やはずすすき)

▼花入
砂張釣舟

 

釣舟花入は夏季を代表する花入の一つで、川や海をゆらゆらと舟が渡っていくような姿が涼を感じさせてくれます。今回は敢えて丈高く配置した「九蓋草」や「泡盛升麻」「七段花」に、釣舟から「突抜忍冬」を下げて、風で揺れ動く水際のような雰囲気にしました。

「突抜忍冬」はスイカズラ科の北アメリカを原産とする蔓性花木で、初夏の頃に橙赤色の漏斗の形をした花を咲かせます。花下の二枚の葉の基部がくっつき、ちょうど一枚の葉を茎が突き抜けているように見えることからこの名が呼ばれます。茶花としては茎を生かし蕾の頃が用いられ、庭木や切花としても人気の花です。
「泡盛升麻」はユキノシタ科の多年草で別名「泡雪草」とも言い、茎の上部につく多数の白い小花を白い泡の集まりに見立てて名付けられました。
「七段花」はユキノシタ科の「山紫陽花」の変種で、シーボルトの『日本植物誌』にも採録された六甲山の特産種です。装飾花は八重咲で萼(がく)片はきれいに重なって星状に見えるのが特徴になっています。
「九蓋草」はゴマノハグサ科の多年草で、夏の頃に紫色小花が密生した長い花穂を出す趣ある姿をしています。三枚から八枚の輪生する葉が次々と何層にも階をなしているように生えるので「九蓋草(九階草)」と呼ばれます。