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ショーケース

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2020-06-02

斗々屋茶碗「郭公」

 

口径15.6 高5.7 cm

斗々屋茶碗は高麗茶碗の一種で、斗々屋という名称の由来は利休が堺の魚屋(斗々屋)の棚から見出したからとも、堺の豪商斗々屋が所持していたから等、様々に云われておりどれも定かではないようです。深い見込の本手斗々屋と浅い見込の平斗々屋に大別される斗々屋茶碗のなかで、平斗々屋にあたるこの茶碗は、文字通り平たく広い口部を持ち、胴には薄っすらと細かい無数の轆轤目が見られ、高台脇には箆をぐるりと回して腰を形成しています。高台は竹節をなし、浅く削り込まれたその高台内にはキメ細やかな縮緬皺を見る事ができ、畳付きには目跡が9つ残っています。見込みは2本のくっきりとした沈線をもってそこに鏡をなし、中央は小さな茶溜りになっており、その周りを畳付きと同様に9つの目跡が取り囲んでいます。とても薄く轆轤挽きされカリッと焼き上がったその器胎は手取りの軽やかさに驚かされます。釉が総体に薄くかかり、その釉肌はしっとりとした光沢をもつ柔らかな青灰色を呈し、その群青の中に枇杷色の大小の鹿の子が散在している端麗な釉景色が、なんとも爽やかな初夏の清々しい情緒を醸し出していますね。銘の通りまさに「郭公」がさえずる時節に使いたい涼しげな逸品です。