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ショーケース

ショーケース

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2020-04-28

堆朱蓮人物図香合

 

径7.2 高2.7 cm

堆朱は、中国彫漆の一つで、朱漆を何層も塗り重ねて文様を彫りだしたもので、唐物香合の代表格として初風炉の季節に好んで用いられてきました。蓮の花弁の上にゆったりと寝転んで読書をしながら川遊びを楽しんでいる姿の文人がいます。ひとり静かに肘を枕にくつろぐ様子はいかにもこの時間を楽しんでいるように見えます。『愛蓮説』を著した中国北宋時代の儒学者である周茂叔を表したものと分かります。四愛と呼ばれる菊の陶淵明、梅の林和靖、蘭の黄庭堅と並ぶ文人の画題として喜ばれます。舟にしているのが一枚の花びらというところが洒落ていて、芦葉達磨ならぬ「蓮弁周茂叔」といったところでしょうか。気忙しいなかにも自分なりの居場所を見つけて一人大切な時間を過ごすことも今の時代贅沢かもしれません。一文字形に鋭い彫りで優しい蓮人物を立体的に表し、側面には雷文が深く入る堆朱のお手本のような一品です。