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ショーケース

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2020-04-06

八橋蒔絵平棗

 

径8.8 高5.6 cm

古来より画題としてよく描かれている『伊勢物語』の第九段に登場する三河国の八橋をモチーフにそれはそれは美麗な蒔絵が施された平棗です。蓋の甲から糸底の中まで棗の表面全体を細やかな梨子地で包み込み、その梨子地の上に描写された群生する杜若の花の部分には金を使ってみたり銀を使ってみたりと、それぞれの花が皆違う表情を魅せています。蓋の甲という小さなキャンバスの上で一際存在感を示す満月を金貝で、それを取り巻く風流な雲は高蒔絵で、さらにその雲の上には金銀の切金を施し、月明かりのもと蛍が優雅に飛んでいるどこか涼しげな夜の情景を巧みに表現しています。蛍のお尻には極小の青貝を一匹一匹丁寧に置き、蛍の儚くも心奪われてしまう優しい光を見事に再現しているのには驚かされますね。熟練した職人の熱いこだわりを至るところに感じれる絢爛な逸品です。