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ショーケース

ショーケース

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2020-03-04

備前矢筈口水指

 

胴径18.4 高16.2 cm

岡山県備前市伊部一帯は中世六古窯に数えられ、古くから陶器を焼成してきましたが、桃山時代に水指や花入など茶陶を盛んに焼成するようになります。この水指は胴はほぼ直線的にキリッと立ち上がり、それでいて肌は柔らかく焼き締まっており、備前焼特有の無骨さを持ちながら端正なシュッとしたスマートさを持ち合わせたそのたたずまいは言わば円熟した紳士のようです。胴全体の半分程に灰が降りかかり、青味がかった灰褐色に窯変をみせ、本来持つ赤い土味とのコントラストがなんとも言えない渋みと味わい深さを感じさせてくれています。どこを正面に持ってきたとしても楽しめるほど全周にわたってぐるりと見所に溢れた一品です。摘みから渦状に筋彫りの入ったなんとも言えないコゲ膚をした共蓋が添っているのも嬉しいところです。たっぷりと水に濡らして手前座に鎮座させれば茶室の中で圧倒的な存在感を示してくれること間違いないでしょう。