toggle

ショーケース

ショーケース

#
2020-03-04

古瀬戸茶入「桜木」

胴径5.6 高8.9 cm

瀬戸の窯分けには古瀬戸、春慶、真中古、金華山、破風窯、後窯とある中で、古瀬戸に分類されるこの茶入は、縦長の背丈をもち、小さめの口径は玉縁をなし、甑は低く、なだらかに丸みを帯びた肩から胴向かってふっくらと膨らみ裾にかけてすぼんでいます。胴部にぐるりと巡らされた一筋の沈線が茶入全体の印象をグッと引き締め、釉切した裾から顔を出す土見せとなった畳付きは、豪快な糸切となっており黒々としたその重厚感のある色合いからは威厳を感じずにはいられません。二重にかかった釉薬から溢れ出した一筋の釉は、なだれとなり見事な景色をなし、肩には霰状の黄釉がまさに銘「桜木」の通り、まるで桜の花が咲いているかのような情景を創り出していますね。仕覆は織部緞子、朱座金襴、舟越間道、いちご裂、カピタン、縹地花文緞子の6種が添っています。内箱蓋裏には「桜散る木の下風は寒からて 空に知られぬ雪そふりける」という『拾遺和歌集』の紀貫之の和歌小色紙が添っており、12世小堀宗慶が内箱表、挽家甲、小色紙ともに「台徳院様(徳川秀忠)御筆と申し伝え候もの也」と極めています。