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ショーケース

ショーケース

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2019-08-03

堆朱香合

径6.7 高2.2 cm

柳の下をゆっくりと舟遊びをする高士の姿が大きく表されています。穏やかな波に風がそよそよと吹き抜けて、理想とする泰平の世がここにあります。堆朱は朱漆を幾層にも塗り重ね彫り出した「彫漆」と呼ばれる漆芸の技法で中国で制作されました。日本には元・明時代の堆朱の優品が多数伝来し、書院や寺院をはじめとする座敷飾りの一つとして用いられました。小振りなサイズのものは茶の湯にも積極的に取り入れられ、唐物香合の筆頭格として江戸時代を通じて重宝されました。柳のゆらゆらと動く様子は曲面に添って表され、立体的に見せるよう高低差がつけられます。地紋と呼ばれる部分には形式的な波状文を埋め尽し、彫文様の鋭さが心地よく表されています。側面には雷文と呼ばれる彫文様が深く入り、一層格調高く感じられます。風炉の香合としてこの上なく贅沢な一品です。外箱には遠州流12世小堀宗慶の箱書があります。