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ショーケース

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2018-09-05

備前種壺水指

 

胴径16.7 高17.8 cm

備前焼は現在の岡山県備前市伊部(いんべ)を中心に平安時代末期より800年に渡り焼かれてきました。中世六古窯の一つにも数えられ、茶陶の名品を多く焼成したことで知られています。本品は釉薬を掛けずに約1300度で高火度により焼成した「焼締め」と呼ばれるものです。「種壺」はもともと農業用の種子を入れておくものが茶席に取り入れられ、桃山時代になると同形状のものをあえて茶席で使用するために焼成されました。酸化焼成により明るく発色し、焦げの部分と合わせて豊かな景色をしています。口縁は分厚く作られ、いかにも実用に耐えうる壺の姿が特徴的です。胴の筋目はしっかりとしていながら、全体の膨らみははやわらかく整った印象を与えます。小振りに付けられた両耳も控えめながらチャームポイントになっています。種壺という独特の姿は畳の上におくと存在感を増し、その静かな姿をたっぷりと濡らした肌でじっくり眺めていたいものです。