2020-12-01
12月の茶花2
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▼花
水仙(すいせん)
▼花入
古銅柑子口
「水仙」は茶人はもちろん日本人にとっても殊のほか馴染みのある身近な花として開くと良い香りを発し、寒中にも凛として咲く姿は清らかさとともに美しさを感じさせてくれます。とはいえもともとは地中海を原産としシルクロードを渡って中国に入りはるばる日本にまでやってきました。「ニホンズイセン」と呼ばれるものは、その渡来した「水仙」が日本の地に於いて野生化したものを指し「水中の仙人」と呼ばれました。室町時代の漢和辞典『下学集(かがくしゅう)』には雪の中から咲くことから「雪中花」と記載されます。葉は四枚ありますが茶の湯ではその枚数を嫌い、三枚に見せるように重ね合わせています。また苞を根元に被せて地面からあたかも伸びている自然の姿を取り入れます。